口の中は常に37℃前後に保たれ、唾液という水分があり、定期的に食物が通過するので、細菌が増えやすい環境になっています。たとえば、舌には舌苔が付着していることが多く、歯と歯茎には歯垢がたまり、細菌が繁殖していますこれを誤嚥することで誤嚥性肺炎を引き起こします。最悪死に至ることもあります。
 
誤嚥を生じにくくすることも大切ですが、たとえ誤嚥しても誤嚥性肺炎に移行しないように、口の中の細菌を取り除いて清潔にしておく。つまり口腔ケアを行うことが重要です。
 
また、口腔ケアの基本は、患者さまの口腔機能や心理面に生じる問題を改善し、全身を健康な状態にして、食生活をサポートすることです。口腔ケアを行うことで、飲み込みや発声の改善なども含めて幅広い効果があることがわかってきました。当院は定期的に施設に訪問診療を行っており、経験豊富な口腔ケアのスペシャリストが在籍しています。

訪問診療専用の歯科機械

全国で調査した所、訪問診療対象の患者さまにおける歯科治療の必要な割合は97％という驚きの結果が出ています。ほとんどの方がお口の中に問題を抱えています。その中で歯科を受診したいと自ら訴えた患者さまは33％しかいらっしゃらないという結果も出ています。歯科治療が必要な方の3人に2人は気付かれないままお口の中が崩壊していっている可能性があるということです。
 
歯科治療の必要があるかどうかを介助の方が判断するのは極めて困難です。訪問診療対象者になられた時点で、定期的に訪問診療を受けられることをおすすめいたします。